画像は、べこ餅、と言います。
北海道では、とてもポピュラーなお菓子。それも家庭で作り、子どものオヤツやお茶受けになったりする、いわばソウルフード?的なもの。勿論、地元の和菓子屋さんにも並びます。
明日は母の日、ということで、思い立って作ってみました。
べこ餅の名前は、
・模様がウシの模様に似ているから
・米の粉を使うから、ベイコが由来
諸説があります。
材料は、うるち米の粉(上新粉)、白砂糖、黒砂糖、水。
葉っぱの形に手の平で成型して、箸などで葉脈様を押し付け。木型などもあるようですが、母親は手の平で伸ばし、笹の葉に乗せて作っていました。蒸し器に入れて、サッと加熱。
作り立てもモチモチして美味しいですが、冷えて固くなったらあぶって焼いても食べます。材料が米粉ですから、オヤツではありますが、腹持ちも良いので昔の人たちは保存食的にも食していたかもしれませんね。
明日は母の日。そんなことを重ねて、私の母が生前中、趣味で焼いたお皿に盛り付け、北海道銘木のお気に入りお盆にのせてみました。
昔は、子どもの日の頃に祖母や母が作って五月人形飾りに供えたりもしていました。
「北海道には柏餅無いんだ。」父が言ってましたが、我が家にだけ無かったのかもしれません…
今日は、粗熱が取れたら、義父母の住まいにも届けてきます。
実は、私には格別な思いがある、べこ餅でもあります。
父が晩年、大病をして入院、手術を受けました。日を経て退院の頃、「来て欲しい」と、一人娘の私に呼び出しがありました。
時間をやり繰りして、小学生時分の子どもたちは家族と留守番。北海道の入院先に向かい退院の見守りを果たしました。
そんな退院したばかりで、自宅に入るやいなや、父は出かけて行き、近くの笹藪に分け入ってクマザサの葉を沢山取ってきました。母は長い入院生活から戻った父の身体を案じ、小言。
父は「べこ餅作れ!」
美味しそうに笑顔で頬張る父の姿が忘れられません。そして、程なく岩沼へ戻る私にもそのクマザサに乗せて蒸したべこ餅を持たせてくれました。
私にとっては、べこ餅は見るだけで今は亡き両親の思い出が蘇る懐かしい郷土食でもあります。