私は戦争を知らない世代ですが、母方の長兄である伯父が沖縄戦で戦死しています。
勿論、出征時かと思われる生前の若かりし頃の写真を見せてもらった記憶しかありませんし、母から聞いた「戦争は惨めなものだ」という呟きにも似た言葉と帰って来た骨箱には石ころだけが入っていた、好物を持って家族で面会所に訪ねたことなどの思い出と共に。
布田家、そして色麻にある母の実家、盆、彼岸に墓参りをしながら平和への誓いを新たにしています。
今年は戦後72年という節目になっていますが、ここに来て、8月15日の玉音放送後、所謂終戦後にも樺太では1週間戦いが続いていたこと、多数の民間人も犠牲になったこと、証言をもとに報じられています。史実として出ていたことなのでしょうが、この時期のテレビ番組の特集で取り上げられた記憶もありません。
本国に引き揚げる途上、家族で自決したこと、その様子を見ていたご高齢の方が思いつめたように証言なされている姿を家族で視聴しています。
これまで話したくても、あまりにも悲しい、衝撃的な思い出であったため語ることを封じて来た方々が、「今語らねば・・・」という背中を押されるような気持ちで語って下さっていること。
私たちはしっかりと耳を傾けて、現実に向き合っていかなければならない、と思っています。
戦場に駆り出され「お国のために」と若い身空で散った命、郷土に残したご家族を思い異国の地で絶えた命、空襲で、原爆で犠牲になった命。
戦争を知る世代がご存命のうちに経験を聞いて、その思いをしっかりと次の世代に伝えていくことは私たちの使命ですね。