3月議会時期から委員会としての継続調査項目を決めて準備を進め、訪問先や詳細な項目、調査日程、事前研修を経て岩沼市議会教育民生常任委員会の行政調査が終わりました。(5月10日から12日)
移動時間や通信環境の制限もあるので簡易的な内容でSNS(FacebookやLINE)を通じて調査地の様子などを発信しておりました。
そちらを再編集して、今回の調査をまとめてみます。
【5月10日】
能代市教育委員会にて、学力向上への取り組みを学びました。
調査項目は『学校教育のICT推進と学力向上について』
学校、行政、家庭が一丸となって子どもたちの学力向上のみならず、学校生活の安定があればこそ、という思いで日々取り組まれていること、お聞かせいただきました。
聞くところによると、市内の学校に学ぶ、小学校1年生のお子さんは家庭学習時間を1時間費やしているとのこと。国語の教科書の1ページの暗唱もあるそうです。
市内の面積が岩沼市が60㎢であるのに対して426㎢余り。
学校の数も岩沼市が小学校4校、中学校4校に対して、小学校12校、中学校7校。特に着目すべきは、5校が複式学級編成であることです。
複式学級とは、同じ教室内に学年が異なる児童生徒が学ぶ形です。
※ちなみに私は中学校時代3年間、小中併置複式学級の環境で学びました。一つ屋根の下に小学生、中学生が学んでいました。
調査地では、ICT推進に取り組んでいますが、学校規模のこと、機材導入の予算措置のこともあり、機材がふんだんに使われている先進地ということではありません。電子黒板を使いながら、授業に集中させるべく導入に活用させたり、先生達の授業研究に関しての熱意、創意工夫、他の自治体との教育研究の連携や交流は素晴らしいものがありました。
岩沼の子どもたちのために活かせること、提案や提言として、今回の調査を踏まえて進めていきます。
【5月11日】
犬好きな私は嬉しくなる秋田犬のモニュメント、ハチ公モチーフのモニュメント。駅舎を出る所から入る所まで「大館と言えば、ハチ公!ハチ公と言えば大館!!」よろしく、市内の至る所に秋田犬モチーフのモニュメントや銅像が設置されていました。まちの特色、訪問客へのアピールにも余念が無い、そんなまちの意気込みを感ぜずにはいられませんでした。
大館市での調査項目は、『こころの相談事業』
相談室の開設、傾聴ボランティア、臨床心理士、子どもたちや町内会、サークルを対象にしての講演会、メールでの相談受け付け。
心の健康が保たれるよう、取り組みを進めています。
特に着目したのは、メールによる相談も受付けていること。
メールならではの匿名性もあり、利用されている方もあること。
もしかしたら、大館市外の方の利用もあるのかもしれない、という担当者からのお話。
悩みを誰かに打ち明けて、心が安らぐことも多々あります。
自殺者の理由、年齢、プライバシーに関わることもあり、なかなか難しい側面もあるようですが、心を穏やかに過ごせるような生きがいづくりの施策、学ばせていただきました。
ローカル線の移動につき、待ち時間が若干あり、市内にある樹海ドームを見せていただきました。
秋田杉の集成材を使っての木造ドームとしては世界最大規模と。
大きさは東京ドームとほぼ同じ!
少年野球、ソフトボール、グラウンドゴルフ、フットサルなど、幅広い世代の皆さんが活用されている施設。
秋田県が設置、大館市が管理しているそうです。
年間の維持費が1億円と伺いましたが、地元の秋田杉を活用しての経済効果、また地域の皆さんにとり、天候に左右されずに健康維持に励める施設であることも効果、コンサートなども開催しての集客、関係者皆さんが頑張っておられることもお聞かせいただきました。
広々したドームの空間、気持ちよいスペースでした。
【5月12日】
今年の国体開催地、岩手県。
紫波町は自転車競技会場ということで、ロード競技、トラック競技が開催されます。
庁舎内、駅舎にものぼり旗や横断幕が目に付きます。
我が家の生業が自転車に関連していることもあり、旧くから紫波町が自転車競技が盛んであったことを見知っておりましたが、一段と親しみわく町でもあります。
民設公営方式のオガールプラザ。
「おがる」
方言で、「育つ」、という意味です。
それをコンセプトに、「オガール」
まちも人も、育つ!
親しみを感じるネーミングだな、と感心しています。
中には図書館や子育て支援施設も入っています。
市民皆さんにとっても、市民活動の拠点としての利用も可能で、当日もテーブルを囲んで会合を持っているグループの姿がちらほらありました。
施設内には、一時預かりや、放課後児童クラブもあります。
こちらの図書館で調べ学習を深めた小学生が文部科学大臣賞を受賞したそうです。素晴らしい頑張りですね!
民間事業のレストラン、カフェ、眼科、マルシェ、賑やかな施設になっています。
中には、市民活動のスペースもあり、サークルや音楽スタジオもあります。
駅舎からほど近いですから、学校帰りの中高生も立ち寄れる場所になっているようです。
今日は、子ども連れの若いお母さんがゆったりと子育て支援スペースで過ごされていましたが、週末は家族連れやお父さんと子どもの姿もあるそうです。
付近は新興住宅地が広がっていますが、町役場も隣接しているので年齢層の高い方も行き来しています。
施設として、公民館のような生涯学習施設でもあり、子育て支援施設でもあり。
地方創生の自治体としての方向性、紫波町を何とかしていきたい、として始まったオガールプロジェクトと聞いています。
自治体の特性が違うので、岩沼市に全ての事例が当てはまらないのですが、今後の公共施設のあり方を考える時に大きなヒントになると思います。
※ 施設内の撮影は許可を得て行っております。
今回の調査は、各委員が報告書を提出して、そちらを基に委員会としての報告書を作成いたし、9月議会で議長へ報告いたします。