今回で実行委員会主催は最終になるとのことで、会場となった新浜公園には国会議員、県議会議長、芸能界からルー大柴さん、東尾理子さんもお子さん連れで参加、全体の参加者は約3000人余り、の規模。
苗木の成長に時間はかかるでしょうが、林になり森になることを祈りながら作業しました。
幸いなことに、朝までの雨も上がり、薄日の中での作業に参加者の方も心地よい汗をかいたことでしょう。
関係者皆さん、参加ありがとうございました。お疲れ様でした。
昨日5月26日、以前から気になっていた福島県飯舘村方面へ視察に行ってきました。
沿岸部や内陸部・郡山市や福島市へ出向く機会は時折ありましたが、飯舘村には震災後初となりますので、6年ぶりになりました。
霧雨、時折雨降りの中でしたので、南相馬方面からの峠越え、濃霧の中、視界も悪く緊張の運転でしたが、相棒が頑張ってくれました。
震災前と変わらぬ里山、のどかな田園風景の地域ですが、目につくのは除染で出た放射性廃棄物の仮置き場があちこちにあることと、牧場などの除染作業が行われていること、放射線量計が道端に設置されていること。
車から降りると、ウグイスが「ホーホケキョ」と呼びかけてくれます。
緊張感がほぐれて、山の澄んだ空気を胸いっぱい吸い込みます。
6年経って変わってしまった現実の姿にやるせない気持ちになります。
この地が好きで、この地に暮らす方もいます。
地域の皆さんが笑顔で暮らせる日々が1日も早く取り戻せますことを願い、帰途につきました。
5月9日から11日までの日程で、委員長を務めます議会教育民生常任委員会行政調査に出向きました。
今回は、函館市[公立保育園民営化について]、室蘭市[出前講座の健康相談]、登別市[公立保育園の民営化の検討]について調査いたしました。
委員会としての報告書は、各委員から提出の報告書を基に取りまとめを経て9月議会での提出となります。(本日5月19日まで各委員から議会事務局への提出)
今回は調査先について私・布田えみのまとめをアップします。
『5月9日・函館市』
[公立保育園民営化について]
函館市の公立保育園民営化は「函館市アウトソーシング推進計画」(平成16年2月策定)に基づき、前期民営化計画に沿って、全12園中、平成17年度から平成21年度までに6園、平成20年11月に策定した後期民営化計画に沿って平成23年度から平成28年度までに6園の民営化を実施してきた。
民営化の打ち出しにより、保護者の反応がどのようなものだったのか、を問うてみたところ、(始まる前)「反発があった」「反対する方の署名活動があった」とのこと。その対応として、行政側は平成16年から17年にかけて説明会やアンケートを実施、不安解消のため巡回して聞き取りも行なってきた。民営化を実施してからも、引き続きアンケートを行い、その中に声があれば市が仲介して問題に対応してきた。最近は反対の声は出ていない、とのこと。現在は、保育士側も民営化についてのノウハウを構築して、習熟して保育に当たっている。
公立保育園民営化にともない保育士の処遇も気になるところであるが、函館市においては、職労との話し合いも最初は民営化反対の声が強かったが、保育の質を保つということ、信頼関係を構築するということを粘り強く話し合いを重ねてきた。保育士正職員は本人の希望により事務職への配置転換、嘱託、臨時職員については、希望により移管先法人での正職員としての雇用も進めてきた。
また、民営化により保育士が入れ替わるなど、保育環境の変化で児童の心理的な負担が無いように、そして職員の引き継ぎも兼ねての共同保育をしっかりと行い、移管前の期間(3か月程度)に移管先法人から保育士を派遣させて、保育内容や園児一人ひとりの特性など、直近の状況を引き継いで移行するようにしている。民営化によって1園あたり、5000万円程度のコスト削減となっている。
調査地函館市においては、広い面積の中に保育施設も点在することと、少子化の影響もあり、2園を1園にすることや、近隣に認定こども園の開設もあり閉園する状況もある。
当市において、公立保育所が4か所あり、その中で施設の老朽化により建て替えも視野に入れての課題となる。少子化と言いながらも待機児童があること、また今後のコスト削減を視野に入れての民営化もあり得るのかどうか、しっかりと議論していくべきだと考える。もしも民営化を検討するのであれば、その際には、当然ながら主役は子どもであり、子ども達が安心して保育時間を過ごせる施設、安全に活動できる環境を優先すること。同時に保育の質の確保も忘れてはならない。函館市で取組んでいる潜在的な保育士資格所有者に対しての研修会実施なども人材育成と同時に資質を高める大切な施策と言える。
保育士確保にも新たな国の制度も活用して働きやすい環境作り、処遇の改善など、民営化の検討と同時に進めていくべき課題と言える。
『5月10日・室蘭市』
[出前講座の健康相談]
室蘭市の出前健康講座について調査をする中で、特筆すべきは、開催回数がとても多いことが挙げられる。そして、その開催回数の特長を述べるには、室蘭の地形や地域性も大きく関係してくるといえる。
面積80.88㎢、人口8万6千人余り。ピーク時には現在の2倍の16万人余りの人口があり、現在は半分に減少している。
地形的に港を囲んで半島のようにせり出している地域に早い時期から勤労者の社宅、団地が広がり、斜面に張り付くように住宅が建っていた。尾根のようになっている地元の方が言う「沢」を中心にして道路、住宅、学校が並んでおり、その沢ごとに学区があったこともあり、独自の協力体制もある。
鉄の街として、製鉄、造船業に栄えた時代から、大手企業の製鉄工場規模の縮小もあり産業構造も変わり、今は退職者の暮らす街に変化しており、高齢化率34%。その中でも、高齢者同士で、かつて一緒に働いた結束力も強く、「みんなで頑張ろう」の意識を持ち住み慣れた地域で支えあって暮らしている。
また室蘭は大手の製鉄工場が早くから稼働していたこともあり、大きな病院が三か所ある。製鉄企業関係の病院が二つ、市立病院が一つ。それに伴い、人材育成を果たす看護学校も二校あり、出前健康講座、介護予防教室の開催にも協力している。
現在は「健康増進計画第二次はっぴい室蘭21」(平成27年3月)に基づき、出前健康講座の開催だけではなく、乳幼児から高齢者まで、すべての市民が日ごろから健康づくりに取り組むための指針としている。
目標は、健康寿命の延伸、健康格差の縮小、健やかに産み育てるを柱に施策を進めているとこもある。
出前健康講座は食育の点から「栄養と健康」「食と健康まつり」「男性の料理教室」や子育て団体向けに「子育てについて」、「はぴらん体操」(室蘭独自の地名や観光スポット名を入れての体操)、「がんの予防」など地域各所を巡回しての開講になっている。総計で年間90回の回数は各回参加者のばらつきもあるものの、身近な会場で幅広い世代に伝えるべきことを届け、自らの健康に関心を寄せるきっかけになっていると思える。また介護予防教室の講師についても、室蘭では身近にいるダンス講師の参加などで人材活用、段取り・手配は行政で、有償ボランティアの協力員(1回一人1000円)に受付補助などを担ってもらい開催メニューの広がりと地域とをうまく繋げていることに工夫を感じる。
室蘭市ではがん制圧、患者支援チャリティ活動の「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」を継続しており、昨年までで9回を数える。室蘭市がん対策推進条例も制定、行政、事業者、市民、それぞれの立場で健康についての意識を高めている。その中から市をあげてがん対策に取り組もうと行政や議会、医師会、患者団体、企業、マスコミの6つの機関が参加して「室蘭がんフォーラム」が2016年2月に発足している。
岩沼市においても健康増進事業の中でさらに一歩踏み込んでの全市をあげての取り組みも視野に入れても良いのではないだろうか。
『5月11日・登別市』
[公立保育園の民営化の検討]
登別市の保育施設の状況を伺うと、現在5箇所ある市内の保育所中3箇所の保育所は建築後35年以上経過し、2階建ての幌別東保育所も34年の経過で、建替え時期を迎えている。また保育需要も年度途中での待機が発生、保育士の数、保育スペースの確保から待機が発生している事情もある。この辺については、当市の保育環境事情にも似ているかと感じる。
民営化の進め方として、海岸沿いに隣接している栄町保育所を民営化し、他の3施設については子どもたちへの影響、運営、保育サービス、保育環境などの検証を踏まえ段階的に進めるとのこと。
登別市が民営化によって目指すものは、
①公立保育所で培われた保育に、民間の手法や技術を取り入れた幼児教育を加え、 「保育」と「教育」の一体的な提供を図り、将来的に認定子ども園を目指す。
②休日保育(年中無休)・時間保育の実施、送迎バスによる通所など、多様化する保 育需要に柔軟に対応する。
③一時保育の充実、育児相談・育児講座の開催や子育て家庭の交流の場を提供しなが ら地域の子育て支援拠点の役割を持たせる。
④健康づくりを重点にした保育や創造性を高めることを重視した保育など運営する法 人の特色ある保育事業を選択する機会の提供に努める。
⑤国の補助制度を活用し、施設の改築、または移転改築など、防災面に配慮した安全で安心な施設の整備に努める。
実際に登別保育所(公設民営)を視察させていただき、この掲げる目標に近い形にて運営していたのを確認した。同じ教室内で保育の幼児、幼稚園の幼児が一緒に過ごす。違いは制服を着用しているかどうかであり、幼稚園区分の子どもたちは時間になると降園し、保育区分の子どもたちは、保護者迎えの時間までそのまま過ごす。
登別市が目指す民営化は認定こども園スタイル。そのメリットとして、保護者が就労の有無に関わらず全ての子どもが利用できること。また保護者が仕事を辞めても幼稚園区分での扱いとなるため保育所退所が生ぜず、再度就労の際、保育所探しから、という煩わしさが発生しない。
当市においては、現在市内4箇所の保育所中3箇所が手狭であったり、施設の老朽化の問題もある。今後の人口推移を予測しながら、どのような形での保育施設が望ましいのか、手順を追って民営化を進めて行くことが必要か、また保育だけの施設ではなく、学校教育と一体化となっている認定こども園のような施設が望ましいのか、主役である子どもたちの過ごす環境も考慮しながら検討していく時期に来ていると考える。
いずれにせよ、地域性に合わせての計画づくりのためには、保護者、行政、もしも民営化するとなれば引き受け手となる事業者との話し合い、移行するための準備期間も充分に取らなければならないことを今回の調査から強く感じた。
ここまで。
以上の3箇所の調査地の私的なまとめの部分をアップしました。
先進地の調査で学べることも多々あります。
苦心されていること、独自の取り組みもあります。
行政調査で学んだこと全てが私たちの岩沼市に当てはまることばかりでもありません。
自治体の規模や地形、地域性、歴史が異なります。
しかし、ヒントは沢山得られます。
今回の先進地の事例を岩沼市の課題改善に知恵として政策提案につなげてまいります。
訪問先自治体議会、職員の皆様には大変にお世話になりました。
この場を借りて、あらためてお礼申し上げます。
大変ありがとうございました。